今年もあっという間に終りまで来てしまった。年内に上げなくてはいけない原稿をひたすら書く日々。地産地消というキーワードを執筆の中でよく用いている自分が、息抜きにとロンドンから突如送られてきたコピ・ルアックというインドネシアのコーヒー豆を煎って飲んでいることに気が付く。この豆のフードマイルを思うと愕然とする。しかしこの豆は野生動物の排泄物の中から集められているようなので、完全なるリサイクル・フードである。口実をあれこれ考えては、地産地消の生き方の選択が、現代においていかに難しいかを痛感させられる。それだけではない。どう考えてもフェア・トレードとしか思えない小売価格ではあるものの、ジャコウネコの糞探しを仕事とする人たちが遠い国にいるのは、どうも気まずい。そもそも貧しい国の人々が私たちのためにコーヒーを栽培していること自体、気まずい。最近の一杯のコーヒーは、息抜きどころかますます私の悩み事を増やしている。
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2009.12.28 |
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今後の省エネ住宅設計には土の熱の伝えやすさ(熱伝導率)を統一していくことが必要不可欠になりそうだ。PHPP式に2.0W/mKで行くのか、QPEX式に0.7W/mKでいくのか。これだけ条件に差が出ると、基礎周りのディテールが全然変わってきてしまう。先日の新住協、鎌田先生とのQPEXとPHPPのすり合わせの中で、この土壌の問題が計算結果の誤差に一番大きく貢献していたと言わざるを得ない。私が現在関わっているカーボンニュートラルハウスの設計においては、ボーリングサンプルから熱伝導率を測定することを試みたが、サンプルの入れ物が気密でなかったことから、含水量が輸送中に変ってしまうと、ドイツ・フラウンホーファー研究所の担当者からのコメント。引き続き調査を続けると、Arup Japan 設備設計からの情報で、拡張アメダスの文献の中に、”国際的なディフォルト値=1.5W/mKを日本でも採用していく傾向にある”との一文がみつかり、今回はこちらを使用することに。 パッシブハウス研究所(PHI)では、ISO13370に従って土壌の熱伝導率を計算しており、その資料によると、0.7W/mKは相当乾燥した砂地の熱伝導率。PHIの資料によると、20センチの雪が年間の内、3か月間に渡って積もっている場合、土壌の熱伝導率は最大25%しか減少しない。また、土壌の熱伝導率が0.7W/mKということは、非常に軽い土壌であることを意味しており、その場合、土の中で外気の対流が起き、熱伝導率の上昇を引き起こす。 私は土の専門家ではないので、この議論を国内の専門家が早急に終結してくれる事を願うばかりである。こちら は上記の新住協の会に参加された西方先生のコメント。
2009.12.17 |
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本日テレビ朝日のスーパーモーニングで、 「冷暖房が不要の家」として、鎌倉パッシブハウスを紹介いただきました。 放送の中で鎌倉パッシブハウスの原価として、坪70万円という報道がありました。 お値打ち!という印象を持たれた多くの方からお問い合わせが殺到いたしましたので、当ホームページにて補足説明させていただきます。 原価とは工務店の利益や、設計費などを含まない価格で、 施工する工務店や設計事務所によって、異なる費用が発生します。 鎌倉パッシブハウスではお施主様の理解を頂き、内装仕上げ等はシンプルさを追求、 徹底的なコストダウンを追求いたしました。 実際の立地条件や仕上げのグレードによって、同じパッシブハウスの省エネ基準を クリアする住宅でも施工価格は変動いたします。省エネ性能以外が全て同じ条件であった場合、 最大2割のコストアップとなることが想定されます。 私たちはハウスメーカーではございませんので、 常にカスタムメイドの建築設計をご提案させていただきます。 価格はあくまでも一例と捉えていただければ幸いです。
2009.12.14 |
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ドイツの国際放送番組、Deutsche Welle (ドイチェ・ヴェレ)で、コペンハーゲン環境サミットに向けた特別プログラムとしてキーアーキテクツの活動が紹介されました。鎌倉パッシブハウスでの収録も含まれています。ご関心のあるかたはこちら のリンクから放送内容(The report as video on demand) をご覧ください。内容は英語となっております。
2009.12.09 |
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今日はドイツのラジオ番組の取材があり、ふらっと鎌倉パッシブハウスに立ち寄りました。屋上テラスに上がると、真っ青な大空が広がり、うらやましくなる気持ちよさです。冬に外に出たくなるのは、家の中がぬくぬくと暖かいからでしょうか?? 金属屋根防水の栄住産業のホームページ で、そんな鎌倉パッシブハウスの屋上風景が紹介されています。子供たちが元気に走り回る姿を写真に収めてくださった建築写真家の齋藤貞幸氏 にも感謝です。
2009.12.04 |
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日本の気候、風土のための真のアフォーダブル省エネ住宅を作り上げていこうという私たちの活動に皆様から多くの賛同をいただき、これからの”日本向けパッシブハウス”を考える機関としてこの度、パッシブハウス・ジャパンを設立いたしました。ドイツ・パッシブハウス研究所を筆頭とする国内外の諸研究機関や、国内で省エネ建築施工・設計の最前線におられる専門家の方々と連帯しながら、建築のライフサイクルCO2にも配慮した省エネ性能の確立をめざします。今後のセミナー等の活動内容はパッシブハウス・ジャパンのホームページ をご覧ください。
2009.12.02 |
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